(※今回は、専門用語が多目の少々難しい内容になっております。膝の治療に対する姿勢を感じて頂き、膝の痛みに不安を抱えている方々に少しでも安心して頂く為に、敢えてそう作りました。)
膝が痛い人必見、その意外な原因
前回、お腹の筋肉に原因があるケースの腰痛について話しました。
今回はそれに関連して、お腹の筋肉に原因があるケースの膝痛についてお話ししていこうと思います!
そもそもなぜ膝が痛いの?
膝の痛みの原因は多種多様です。
打撲、捻挫、靭帯損傷、半月板損傷、膝蓋窩脂肪体によるもの、他にも色々あるのですが、
その中でも特に多いのが、【変形性膝関節症】です。
これは加齢に伴い関節軟骨のすり減りが生じて痛みを出す、と言うもので「膝が痛くて病院に行ったら、変形性膝関節症と言われました」と言う方が多いです。
しかし僕らは、変形性膝関節症だから「必ず痛みがあるわけでもない」と言う事を知ってますし、変形性膝関節症だから「痛みが治らないワケではない」と言う事も知っています。
つまり、軟骨のすり減りだけが痛みの原因じゃなく、他にも原因があるのです。
その原因のひとつが、膝の《関節マルアライメント》です。
関節マルアライメントとは?
関節マルアライメントとは、訳すと「関節の歪み、ズレ」となります。
つまり、膝の歪みやズレが原因のひとつですよ、と言う話になるのですが、膝の関節マルアライメントで大きく分けると、多いのが
「膝が外側に広がってしまっている」ケースと、「膝が内側に入ってしまっている」ケースです。
今回は、女性に特に多い、膝が内側に入ってしまっているケースについてお話していきます。
膝が痛くて、しゃがみ込んだ時に自然に膝が内側に入ってしまう方は必見です!
膝が歪むとなぜ痛む?
膝の動きの基本的な考えのひとつとして、SHM(スクリュー・ホーム・ムーブメント)と言う物があります。
これは簡単に言ってしまえば、膝は曲がる時に、「適切な捻れ運動が起きている」と言う話です。
つまり、正常な捻れ運動が起きていれば膝を曲げても痛まないし
異常な捻れ運動が起きていれば膝を曲げると痛みが出やすい、傷めやすい、と言うことなのです。
ココで先程説明した、膝が外側に広がってしまっている人、内側に入ってしまっている人は、異常な捻れ運動が起きている可能性が高い、と思って下さい(程度によっては痛みが全くない事も多くあります)。
なぜ膝が内側に入ってしまうのか
これでようやく話が最初の説明に戻るのですが
膝が内側に入ってしまうのは、「お腹の筋肉の緊張」が関わっている可能性があるのです。
他にも、
内転筋群の過緊張や、骨盤前傾位の増強など、見るべき点はあるのですが
お腹の筋肉(ココでは腹斜筋)が過緊張する事で、筋肉がくっ付いている骨盤が内側に引っ張られます。すると骨盤が僅かに内側に入り込む《インフレア》と呼ばれる状態になります。
インフレアになると、その下にくっ付いている部分、つまり太ももの部分も僅かに内側に引き込まれるのです。
それによって、しゃがんだ時に膝が内側に入り込んでしまう、と言う現象が起きます。
加えて、足が大きく内股の状態と言うのは非常にバランスが取り辛い為、無意識につま先だけでも外側を向いてバランスを取ろうとします。
これにより、「膝から上は内側に捻れ、膝から下は外側に捻れる」という関節マルアライメントが起きるのです。
どうやって治療していくの?セルフケアは?
関節マルアライメントによって、痛みが生じたり、悪化しているケースは、
まず関節の歪みやズレを解消していく必要があります。
そこで必要になるのが、お腹のマッサージです。
下の画像で丸した、骨盤の内側のキワ部分を指で押し込みながら(骨盤を手で掴むようにすると良いですよ)しゃがんでみて下さい。
その時その近辺に硬くなる部分が出てきたら、そこが悪いポイントです。
椅子に座り、そこを指でグーっと押し込みながら、体を前に屈めていき、同時に息を吐きます。
体を伸ばしながら息を吸い、また体を身体を屈めながら息をはきます。
これをゆっくりと10回繰り返しましょう。
そのあと手を離して、先ほどと同じようにしゃがみ込んで下さい。
上手に出来ていれば痛みに変化があるはずです。
最後に
これで痛みが何も変化しなかったと言う方は、上手にポイントを押せていなかったか、
他にも関節マルアライメントの原因が潜んでいる可能性があります。
その場合当院で、捻じれを引き起こしている筋肉をリリース(筋膜リリース)したり、
弱っている筋肉があり捻じれてしまっている場合は、
弱っている筋肉を分析し、適切な運動指導をする事でスムーズな曲げ伸ばしを可能にします。
程度にもよりますが、病院で膝の人工関節の手術を勧められていた方でも、その場で曲げ伸ばしが可能になった例もあります。
膝に湿布をしても、注射をしても治らない方。
すぐに痛みが戻ってきてしまう方。本当の原因が潜んでいるかも知れませんよ…
一度診てもらいたい、と言う方は是非一度お電話を^ ^