Hさん20代女性主訴、腰痛

腰が痛いと言う事で、来院された女性。

その様子を見てすぐに違和感を感じました。
腰自体は、あまり筋緊張が強く無いのです。あるにはあるのですが、痛みを生じるレベルとは思えない…


そこで、痛みが出る動作を細かく見ていきました。
それで分かったのが、体を前にかがめると痛みが出る、と言う事。
さらに細かく言えば、「腕を前に出しつつ、背中を丸めると痛みが出る」と言うことです。


色々お話を聞いていると、現在生後2ヶ月のお子さんを育児中ということが分かりました。


結論から申し上げると、この方の腰痛は上腕の硬さが大きな原因になっていました。

なぜ上腕が硬くなってしまうのかそれは、首が座っていないお子さんを、大事に抱きかかえる時の姿勢、腕の格好です。(授乳時にも似た格好になると思います)


ではなぜそれが腰に関わるのか…
(腰が痛いのに腕が関係…?)めちゃくちゃ関係します!

それは、筋膜リリースで用いられる事が多いアナトミー・トレインの考え方なのですが、
体に数多くある筋膜ラインの中にSBAL(スーパー・ファシャル・バック・アームラインと言う繋がりがあるのです。

これは、手の指〜背中や首の方まで筋膜が繋がっている、
と言うものでこの方の場合、育児中に無理な姿勢で腕を使い過ぎてしまいそこで生じた強い筋緊張が、背中の下部を引っ張ってしまい、腰付近の痛みを起こしていたのです。


つまりこの方も、痛い所に原因はなかったわけです。

よく産後の女性の腰痛だと、すぐ骨盤のせいに考えてしまう人が多いですが原因は人により様々。

それを探し出すのが私たちの役目です。